2008年09月08日

『グーグーだって猫である』


運命の出逢いは、ある日突然やってくるそうです。



そういえば、先代クロや今のにゃんこがうちに来たときもそうだった。。。



映画『グーグーだって猫である』を見て、そんなことをふと思い出しました。


『グーグーだって猫である』


いきなり冒頭でウルウル。
ひゃーこんなに涙腺が弱くなってたのか、こりゃ最後まで大丈夫かしらん。
途中も何度も目じりにうっすら浮かびつつ、でもなんとか持ちこたえながら最後まで。


※封切られたばかりで内容はもちろんご法度、ここからはあくまで私の個人的な感想です。
でも先入観をもちたくない方は、読まないで観にいくのをオススメ(笑)




原作は、猫と暮らす漫画家・大島弓子さんの自伝的エッセイマンガです。



サバ、グーグー、それから公園やまちなかにも、たくさんの猫ちゃんたちが登場します。


しどけない寝姿、ゆるいカーブを描く猫背。
鳥を一心不乱に見あげるでっかい瞳、何かを聞きつけてピクピクっと動く耳、生き物みたいに自在にうごくしっぽ。
しなやかなウォークをしたかとおもえば、ひとめぼれして後先考えず追っかけてくランランラン!

とにかく、みんなみんな愛らしいー楽しい!!



でも、この映画は「猫の映画」というわけじゃないんですよね。


じゃ、ものすごい大事件が起こる?
・・・ってわけでもありません。



一見ささやかにみえることを、ひとつ、またひとつと積み重ねながら、淡々と過ぎていく日々。
眠って、食べて、しゃべって
ぼーっとしたり、ハッとしたり
歩き、ときに走り
唄い、叫び、哀しみ、悩み、泣き、笑い・・・そうして一日が暮れていく。



そんな毎日を生きているひとびとや猫たちの暮らしが、東京・吉祥寺という緑と生活の匂いに満ち満ちた庶民のまちを舞台に、
淡い水彩絵の具で描かれている、そんな感じの映画です。



アド街っく天国にもよく登場する吉祥寺(きちじょうじ)は、私にとってもなつかしい街!
うちは西武線沿線にあるんですが、初めて一人でバスに乗って買い物に出かけたのが中野、
それから高校生になって、中央線で一駅二駅足をのばし、高円寺や吉祥寺でウロウロ。
揚げたてメンチカツなんかをほおばりながら、駅前商店街の衣料品店(ショップなんて言葉は似合わない)や本屋をめぐったり、
薄暗くて煙草の煙が充満したライブハウスの片隅で、ちょっとばかりオドオドしながら大人を気取ったり、
そんな思い出のあるのが、この中央線沿線の街です。
(ちなみに大学では渋谷や青山、社会人になったら銀座や六本木、バブリーの見本でしたね(笑)



もうひとつ私の印象に残ったのは、小泉今日子さん演じる天才漫画家・大島弓子役。

主役だけどセリフは多くはないし感情を爆発させるわけでもない、ちょっと浮世離れしたような夢子さん、というけっこう難しい役どころですが、小泉さんはバツグンの存在感で、等身大の女性を自然体で演じていました。


この世代、独身あるいは結婚しても子どものいない働く女性たち、
雑誌の特集では、やれ「オトナの女」「自分にごほうび」とか「消費経済を動かしているのは実はこの世代」なんて、妙なイメージ先行でおだてられているけれど、
ほんとはもっと地味で不器用で、気楽さもあるけど漠然とした不安やら寂しさやらいろんなコトを抱えながら日々を生きているんだよなぁ。(まぁそれはこの世代の女性に限ったことではないけどね)



カットによっては、顔の皺などかなりリアルに出る場面もあり、
アイドル時代のキョンキョンのイメージしか持っていないと、年とったなぁと感じる人もいるかもしれません。

でも技術の時代、撮影ライティングや画像処理で隠したり手を入れたりするのはじつは簡単なことなのに、
あえてそれを普通に見せたところに、かえって好感をもつ人も多いのではないかな、もちろん私もでした♪



じつは、登場人物や猫の設定、エピソードなど、原作にかなり脚色されています。
原作が大好きで観にくる人の中には、ひょっとしたら賛否両論でるかもしれないなぁと思わせる部分もありました。
(私も、何箇所かのくだりで、ん?と思うことも・・・)


でも、小泉さんと犬童一心監督、あの独特の大島ワールドのニュアンスは十分に出せていたと思います。
共演陣では、上野樹里さんと加瀬亮さんがよかった!
上野さんは作品ごとにまったく違った顔を見せてくれますね、ほんと楽しい女優さん♪
そして加瀬さん、「パッチギ!」「ハチミツとクローバー」「硫黄島からの手紙」「それでもボクはやってない」など話題作にたてつづけに出演し、いまや日本映画でひっぱりだこ、これからも大注目の役者さんです!




みおわって、なんか誰かれとなく「ありがとう」と言いたくなる、そんなやさしい気持ちになれる映画♪


そだ、うちに帰ったら、にゃんこを思いっきりギュッと抱きしめてチューしちゃおう!
(猫は、たぶん、いや確実にいやがるだろうけど)





『グーグーだって猫である』


原作:大島弓子 『グーグーだって猫である』(角川書店)
脚本・監督:犬童一心
音楽:細野晴臣
出演:小泉今日子、上野樹里、加瀬亮、森三中、林直次郎、伊阪達也、マーティ・フリードマン、大後寿々花、楳図かずお、小林亜星、松原智恵子、他


ワーナーマイカルシネマズ近江八幡、ユナイテッドシネマ大津ほかで上映中



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この記事へのコメント
ケイミーさん、おひさしぶりです。私もマンガを読んで、この映画気になっています。昔飼ってました、今は飼ってないのですが、また飼いたくなってきました(≧▼≦)
Posted by ひろこのママ at 2008年09月08日 23:52
4匹も家にいるのに、まだ映画も見るのぉ?と友人から半ば呆れられていますが、勿論見ます!
キョンキョンが取材で仰っていましたが、ネコの偶然の演技待ち?で5時間とかはザラだったそうですね。
原作も読みましたが、どのような映像になっているのか楽しみデス。
Posted by プリン at 2008年09月09日 00:46
ひろこのママさん
大島弓子ワールドも、猫のいる暮らしもいいですよね〜^^
Posted by ケイミー at 2008年09月09日 15:16
プリンさん
ひょえ〜さすが猫ちゃま、いやいや、さすがプロ!原作とはまた少し異なるワールドが心地よかったですよ、是非見たら感想教えてね♪
Posted by ケイミー at 2008年09月09日 15:20
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