2007年10月21日

『シネマの画帖』

昨夜の寒さがきいたのか、
今日は少し喉が痛かったので、おとなしく家で読書やビデオ、合間に片付けも少し。


そういえば、趣味に読書や映画を挙げているのに、
ブログではまったく触れていなかったなぁ。


・・・ということで、秋の夜長をきっかけに、
ブログのカテゴリーに「読書&映画日記」なるものを新規(契約じゃないって)。

読書は乱読たまに積ん読、映画もまったく脈絡のない鑑賞で、
およそラジオのブログ的ではないなぁと思うけれど、まぁ、つれづれなるままに
時々書いていこうと思います(^^)


さて第1回目、どれにしようかと迷・・・わず、これに決めました(笑)


『シネマの画帖〜映画美術監督 西岡善信の仕事と人々』
画: 西岡善信、文:井上理砂子
発行: 淡交社 ISBN978-4-473-03427-4


映画、特に日本映画の好きな方なら、
西岡さんの名前を知らない人は、まずいないでしょう。

数々の名作を手がけた日本を代表する映画美術監督。
衣笠邸貞之助、市川崑、伊藤大輔、森一生、五社英雄、篠田正浩、
岡本喜八、深作欣二、山田洋次といったそうそうたる監督たちに信頼され、
カンヌグランプリ「地獄門」をはじめとして、
「炎上」「ハチ公物語」「利休」「どら平太」「たそがれ清兵衛」など手がけた作品は数知れず。

大映京都からはじまった戦後の日本映画と共に歩んできた、
というより日本映画の歴史を作った方ともいえるのではないかと思います。


この本には、そんな映画のセット製作のデッサン画からはじまって、
撮影現場での裏話、監督や俳優たちとの交流などが、
多くの写真とともに綴られています。


私の映画好きは高校&大学時代から。
時代劇は当時あまり好きじゃなかったけど、
駅から学校に行くまでの途中に古い映画館があり、
和洋問わず旧作を安い料金で上映していたので、
よく授業をサボっては映画を観ていました。
(よいこはマネしちゃいけません)

もちろん今は跡形もなく、先日通ったら複合ビルになっていましたっけ。。


そんなことも思い出しながら、頁をめくっていくと・・・


美しい!
鉛筆で描かれたスケッチに、何度も息をのみました。
日本人の美意識を見事にあらわして、
かの日に観た映画のシーンが次々に甦ってきます。

そして、黄金時代といわれた京都大映撮影所の
すみずみまで満ちていたであろう活気が、
紙面からたちのぼってくるような気がします。

丹念にイメージを積み重ね、
映画という虚構の世界をゼロから作り上げていくことに魅せられた一人の男の記録としてだけでなく、
日本映画の裏側を知ることもできる、面白い一冊です。


じつは、この本は贈られたもの。
いくら映画好き本好きでも、一冊2800円の本をポンとは買えません^^;;


もちろん西岡さんとは面識はなく、文をかかれた井上理砂子さんからです。

井上さんは京都新聞社の記者さんで、私が京都でやっているお仕事がきっかけで
知り合いになりました。

社会報道部、文化報道部などを経て、
現在は福知山にある北部総局で要職についていらっしゃいます。

映画やクラシック音楽に造詣が深く、
この本も、彼女が数年前、京都新聞で連載していた記事を一冊にまとめたもの。
湖南や京都にお住まいで京都新聞を読んでいらっしゃったら、見覚えのある方も
いらっしゃるかもしれませんね。

聡明で、でも普段はとっても気さくな楽しい方で、尊敬する女性のひとり♪


日本映画の今までと、そして井上さんに敬意を表して。



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