2008年06月03日

破るも継ぐも




伝統を守り続けていくこと。


伝統を徹底的に破壊すること。



どちらがよりエネルギーとパワーのいることなんだろうなぁ。。。



さて、週末に伝統を打ち破る凄い映画を見た、と書きましたが、


実はその後、対極にある伝統芸能を観ました。



平安神宮で行われた「京都薪能」です。



源氏物語千年紀ということで、
題目はすべて源氏関連。


能は観世流「浮舟」と「須磨源氏」、

狂言は大蔵流「萩大名」、

新作能「紅葉賀」も。



個人的には、浮舟のせつなさが響いた気がしたなぁ。源氏物語の中でも好きな話なので。



数年前の山階流・山階敬子さんの里帰り公演に端を発して、

七条町の能楽復活公演、

そして昨年も山階流襲名公演、と


日本が世界に誇る伝統芸能に滋賀・長浜で関わらせていただく機会があり、


まだまだ詳しいしきたりなどはわかりませんが、

もっと知りたいなぁと思ったりもしています。



情念や怨念や苦悩を面の奥に閉じ込めて闇夜に舞い謡う、


哀しいくらい美しく、そしてはかない人間。


ありきたりの言葉だけど、培われてきた伝統の圧倒的な底力を感じて、


なんだか身震いする夜でした。


タグ :演劇京都

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この記事へのコメント
お能は何度か見た事ありますけど、覆いかぶさる様な迫力には恐怖すら感じましたな。
見終わった後なんて、喋る気すら起きなかった。
Posted by 白竜 at 2008年06月03日 23:09
培われてきた伝統って破ってしまって新しいものを創るんじゃなく、そのまま温存して受け継いでいくものでもなく古くからのしきたりや昔ながらに受け継がれてきた伝統をふまえてその内にある可能性を最大限に引き出して新しく発展させて次の世代に委ねていくものだと思います。
Posted by 悟空 at 2008年06月04日 06:35
白竜さん
恐怖。。そうですね、それに似た畏敬の念みたいなものを感じることはありますね!


悟空さん
おっしゃるとおりだと思います!古いものの上にただ胡坐をかくのではなく、みずから精進しつつ新しいものをも柔軟に取り入れ咀嚼し続けているからこそ、色あせず錆つかず、常に第一線で人々に受け入れられているんだろうなぁと思います。それが真の伝統。


日曜に観た映画が「動」、爆発し地上にあふれでるマグマの陽動エネルギーだとすれば、この能は目には見えない地下でフツフツとたぎり続ける静なるエネルギー。相反するようでいて、じつは奥底でつながっているんだという気がします。
Posted by ケイミー at 2008年06月04日 08:00
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